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2.羽色の星で紫色のオーロラを見る

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2021.04.02

SCOR [ スコー ]の世界を形作る『星をめぐる旅の記憶』にまつわるお話

→『星をめぐる旅の記憶』

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2.羽色の星で紫色のオーロラを見る

 

天使と白く巨大な水晶の星の話をしながら並んで見たオーロラは、珍しい紫色をしていた。

珍しいといっても、わたしが本で読んだことや人から聞いたことがなかっただけで、特別なものではないそう。

この星は、その大半がフローライトで構成されており、さまざまな条件が揃うと夜空が紫色に染まるらしい。

空の紫色が、温度の異なる大気のうねりによって、濃淡ができたり、うねって見えたりする日常的な現象らしいので、本当のところはオーロラでもないのだった。

「紫色でも緑色でも、それがなんであっても、オーロラと呼びたければオーロラでいいし、たかが概念」

件の天使に、紫色のオーロラ(ではないもの)の仕組みを聞かせるとそう返された。

「自分の中にあるオーロラのイメージにしがみついてるわけではないよ。物理次元を楽しみたいだけ」

「そうだよね」

わたしが星々を旅して回る民だということを、この天使は知っている。

天使は詮索してこないので、気楽に付き合えて楽。

天使の吐く水色の息が、白い羽と重なって鮮明に見えた。

Halo – 羽色の星 (pt200-a-s)
https://scor.thebase.in/items/42161294

→『星をめぐる旅の記憶』