SCOR [ スコー ]の世界を形作る『星をめぐる旅の記憶』にまつわるお話
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5.水色の星の夢
「床」の向こう側に、水色のアパタイトの星が見える。光を受けて、キラキラと瞬く小さな衛星。
この空間もまた、水色の光で満ちている。天井は 透明で波のように揺らいでいて、「床」にその透明な波の模様が投影されている。他に人影はない。たまに、白い泡のようなものが空中を漂い、やがてばらけて頭上へと上っていく。
ターコイズでできたこの星は、超高速で自転している。強力な遠心力に振り払われてしまうので、地上には立つことができず、この星をすっぽり納めた球体の巨大な「床」に立つしかない。星の中心がちょうど頭上にくるという格好だ。
ターコイズの星は、付着した白い泡のようなものの作用によって、徐々に回転速度を弱めつつあるという。今よりずっとゆっくりと回転するようになれば、この「床」は取り払われ、この不思議な空間もなくなるそうだ。
ここはいつか来た場所。
生まれ出るものが、みな一度は身を置いた場所…。
まどろみから目覚めると、[Спутник(スプートニク)4436番]こと「生命の流星」は、じき目的地に辿り着こうとしていた。
Two stars – 対の星々(青) (pt205-ta-s)
https://scor.thebase.in/items/42161847